Webサービスの開発会社選びで絶対に失敗しない3つのポイント

新たにWebサービスを開発したいと考えたとき、どのように開発会社を探せば良いのか、また、どのようなポイントに注意して開発会社を選べば良いのか悩むことも多いでしょう。
この記事では10年以上Webサービスの開発に携わってきた経験をもとに、Webサービスの開発会社の探し方や選び方、依頼してはいけない開発会社の注意点、Webサービス開発を成功させるポイントなどを解説します。
前提:WebサービスやWebサイト、Webシステムとの違い
この記事では「Webサービス」の開発について解説していきます。
しかし、「Webサービス」という言葉は曖昧で、「Webサイト」や「Webシステム」と混同されることも多いです。まずはそれぞれの違いを整理しておきましょう。
なお、以下の説明はあくまで一般的な理解に基づくもので多くの説明を省略しており、厳密な定義ではありません。
Webサービス:Webブラウザ上でサービスを提供する
「Webサービス」は「サービス」とあるように、ユーザーに何かしらの価値を提供するものです。
例えばSNSはユーザー同士の交流を提供し、ECサイトは商品を購入する手段がその価値となります。
多くの場合、ユーザー登録の仕組みがあり、情報の流れが双方向であることが特徴です。
情報の双方向性が次に説明する「Webサイト」との大きな違いになります。
またWebサービスは「動的」であることが多いです。
例えばSNSではユーザーによってタイムラインの内容が変わります。
誰をフォローしているのか、おすすめのポストは何か、情報の公開・非公開などの設定によって表示される内容が違います。
このようにユーザーごとに内容が変わるのが「動的」です。
Webサイト:Webブラウザ上で情報を提供する
一方で「Webサイト」は情報を提供することが主な目的です。
今、あなたが読んでくださっているブログやコーポレートサイトはこれにあたります。
ただ「情報を提供する」と言ってもWebメディアのようにユーザーがコメントを書いたりお気に入りの記事を保存したりできるWebサービスっぽいものもあります。
またWebサービスは動的なものが多いですが、Webサイトは「静的」であることが多いです。
コーポレートサイトに記載されている内容がユーザーごとに違ってしまったら困りますよね?
基本的には誰が見ても同じ内容が表示されるのが「静的」です。
Webシステム:WebサービスからPCやサーバの仕組みまで含む曖昧な言葉
「Webシステム」という言葉は非常に曖昧で、WebサービスやWebサイトを指す場合もあれば、PCやサーバの仕組みまで含む場合もあります。
例えば「社内の業務システムをWebシステム化する」という場合は、PCやスマホ、タブレットといったデバイスを用意し、データを貯めておくデータベースなどのサーバを構築し、業務に必要なアプリケーションを開発することまで含みます。
一方で「Webシステム開発会社」という場合は、WebサービスやWebサイトの開発を指すことが多いです。
「Webシステム」という言葉は文脈によって意味が大きく変わるため、注意が必要です。
「Webサービスとは何か」を知っていいただいたところで、Webサービスを開発できる会社を見分けるポイントについて解説します。
実は「Webサイトは作れるけどWebサービスは作れない」という開発会社もあるんです。
Webサービスを開発できる会社を見分ける3つのポイント
「Webサービスの開発を依頼したい」と考えていても、どの開発会社がWebサービスを開発できるのか分からないことも多いでしょう。
特に、Webサイトの開発はできてもWebサービスの開発はできない会社もあるので注意しなければいけません。
Webサービスを開発できる会社を見分ける3つのポイントを紹介します。
- 制作実績を見て開発経験を見る
- Webサービスのリリース後のサポート
- 使っている技術を見る
具体的に解説します。
1. 制作実績を見て開発経験を見る
多くの開発会社のコーポレートサイトには制作実績が掲載されています。
弊社の制作実績はトップページに以下のように掲載しています。

制作実績を見て、Webサービスの開発経験があるかどうかを確認しましょう。
コーポレートサイトやLP(ランディングページ)、ブログなどのWebサイトの制作実績しかない場合は、Webサービスの開発経験がない可能性があります。
2. Webサービスのリリース後のサポート
Webサービスはリリース後も継続的な改善や運用が必要です。
サービスの提供が一番の目的です。リリースしたときがゴールではなく、むしろスタートです。
そのため、リリース後のサポート体制が整っているかどうかも重要なポイントです。
具体的には、以下のような点を確認しましょう。
- バグ修正や機能追加に対する対応の迅速さ
- 運用に関する相談や問い合わせに対するサポート体制
- 定期的なメンテナンスやアップデートの提供
これらはコーポレートサイトに載っていることは少ないので、問い合わせや無料相談の際に確認しましょう。
3. 使っているプログラミング言語・フレームワークを見る
このポイントは少し難しいので、ある程度知識が必要なのでご注意ください。
そのため読み飛ばしていただいても構いません。
開発でプログラミング言語や使うフレームワークはそれぞれの特長があり、Webサービスが得意・Webサイトが得意といった違いがあります。
HTMLやCSS、JavaScriptはWebサイト・Webサービスの両方で使われるので、ここで見分けることはできません。
しかし、Webサービスを開発するのであればRubyやPython、PHP、Java、Goなどのプログラミング言語を使うことが多いです。
(JavaScriptもWebサービス開発で使われますが、説明が長く&難しくなってしまうのでここでは割愛します)
有名なWordPressはWebサイトやブログの開発に向いていますが、Webサービスの開発にはあまり向いていません。
一方でRuby on RailsやDjango、LaravelなどはWebサービスの開発に向いています。
近年、名前を聞くことが増えたNext.jsはWebサイトとWebサービスの両方で使われます。
制作実績や採用情報のページにある「使っている技術」や「開発環境」を確認して、上記のようなプログラミング言語やフレームワークが使われているかどうかを確認してみると良いでしょう。
またWappalyzerというツールを使うと、URLからそのWebサイト・Webサービスが使っている技術を調べることもできます。
以下は弊社が開発・運営している自社サービス、コンプリーで使われている技術をWappalyzerで調べた結果です。

コンプリーはRubyというプログラミング言語で、Ruby on Railsというフレームワークを使って開発しているWebサービスだということがわかります。
もし、開発で使っている技術に興味があるのであれば、Wappalyzerを使って調べてみるのもおすすめです。
反対にこういった開発会社は避けた方が良い、という注意点もあります。
依頼してはいけない開発会社の3つの注意点
開発会社を選ぶ際に、以下のような会社は避けた方が良いでしょう。
- 制作実績にWebサービスがない
- 制作実績に大手企業ばかり並んでいる
- 料金が極端に安い
1. 制作実績にWebサービスがない
先程、Webサービスを開発できる会社を見分けるポイントとして、制作実績を確認することを紹介しました。
逆に言えば、制作実績にWebサービスの開発経験がない会社は避けたほうが良いでしょう。
コーポレートサイトやLP(ランディングページ)などのWebサイトの開発とWebサービスの開発は似ているようで大きく異なります。
使う技術や開発の進め方、つまずきやすいポイントなど違いあるため、Webサービスの開発経験がない会社に依頼すると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
2. 制作実績に大手企業ばかり並んでいる
「大手企業と取引があるのは信頼できる証拠」と考える方もいるかもしれません。
しかし、制作実績に大手企業ばかり並んでいる場合は注意が必要です。
特にあなたの会社が中小企業やスタートアップ企業の場合は気を付けてくださいね。
なぜなら、大手企業のプロジェクトは必要な機能が多岐に渡り開発期間も長いことが多いです。
結果的に予算が大きく、参加する人員も多くなります。
もしそれほどの規模感を求めているのであれば問題ありません。
しかしWebサービスの新規事業であれば、最小限の機能で早くリリースし、ユーザーの反応を見ながら改善していくことが重要です。
中小企業やスタートアップとの開発経験が多く小回りが効く開発会社を選びましょう。
3. 料金が極端に安い
Webサービスの開発会社を探していると複数の会社から見積もりを取ることもあるでしょう。
その際に、料金が極端に安い会社は避けた方が無難です。
なぜなら、料金が安い場合は以下のようなリスクがあるからです。
- 開発の質が低い
- 追加費用が発生する可能性が高い
- サポートが不十分
せっかく作ったのにサービスとして提供できるレベルでなかったり、後からあれこれ追加費用を請求されたりするのは嫌ですよね?
またWebサービスはリリースしてからがスタートです。
リリース後も長い付き合いになるので、サポート体制がしっかりしていることも重要です。
良心的な価格設定をしている会社もありますが、他社と比べて1/10以下といった極端に安い場合は注意しましょう。
もちろん予算の関係で、できる限り費用を抑えたいということもあるでしょう。
その場合は、最小限の機能のみを開発し早くリリースするといった工夫をし、予算内で開発できるようにしましょう。
ここまでWebサービスの開発ができる会社を見分ける方法を解説してきました。
続いては具体的な開発会社の探し方や選び方を解説します。
Webサービスの開発会社の探し方
自社でWebエンジニアやデザイナーを雇うのが難しい場合、Webサービスの開発を外注することになります。
もし始めての開発の場合、どのように開発会社を探せば良いのか分からないことも多いでしょう。
具体的に以下の方法で開発会社を探せます。
- 知り合いに聞く
- 比較サイトを使う
- 募集・依頼サイトを使う
- Webサイトで制作実績を検索する
知り合いに聞く
もしお知り合いにWebサービスの開発を依頼したことがある方がいれば、まずは聞いてみてください。
良い開発会社でしたら紹介してくれるでしょう。
反対に「あそこは対応が悪いからやめたほうが良い」といったネガティブな情報も得られるかもしれません。
比較サイトを使う
開発会社は比較サイトに掲載されていることがあります。
「Webサービスの開発会社20社比較」といった記事がGoogleで検索すると出てきませんか?
それが比較サイトです。
ただ注意してほしいのは、多くの場合、比較サイトが勝手に開発会社を掲載していることです。
そのため記載されている内容はコーポレートサイトに書いていることをそのまま転載しているだけであったり、正確でないこともあります。
あくまでも開発会社の候補を探すために使い、最終的には次に説明する選び方のポイントを参考に自分で調べるようにしましょう。
募集・依頼サイトを使う
クラウドソーシングサービスやフリーランスのマッチングサービスを使って開発会社を探すこともできます。
例えばクラウドワークスやLancersなどが有名です。
これらのサイトにご自身で投稿したり、登録されている開発会社に直接依頼してみましょう。
Webサイトで制作実績を検索する
もし「このWebサービスと似たようなサービスを作りたい」といった具体的なイメージがある場合は、Googleなどの検索エンジンで「似たサービス名 制作実績」などで検索してみるのも良いでしょう。
そのWebサービスが外部への依頼で作られていれば、制作実績として開発会社のコーポレートサイトに掲載されている可能性があります。
しかし注意してほしいことがあります。
あなたが作りたいWebサービスと同様のWebサービスを作っている開発会社に依頼しようと思っても、競合他社の開発を避けるために断られる可能性があります。
競業避止義務や守秘義務の観点から、同じ業界の開発を行っていないかもしれません。
これらの方法を使っていくつかの開発会社をピックアップしたら、次に説明する選び方のポイントを参考に比較・検討してみてください。
Webサービスの開発会社の選び方
開発会社をいくつかピックアップしたら、以下のポイントを参考に比較・検討してみてください。
- 知り合いに聞く
- SNSやブログを読む
- 無料相談を依頼する
知り合いに聞く
先程、探し方のひとつとして紹介しましたが、知り合いに聞くのは選び方としても有効です。
実際に依頼していなくても、候補のひとつであったり、話を聞いたことがあるかもしれません。
やはり信頼できる情報のため、大いに参考にしてください。
SNSやブログを読む
開発会社の中にはSNSやブログで情報発信をしているところもあります。
エンジニアはXで情報発信をしていることが多いです。
またコーポレートサイトにあるブログやnote、技術者向けのQiitaやZennなどを活用していることもあります。
これらのソースを読むことで、開発会社の技術力や考え方、雰囲気などを知ることができます。
無料相談を依頼する
何よりも大事なのは実際に話をしてみることです。
開発会社の多くは無料相談を受け付けています。
話をしてみて、話し方や雰囲気が合うかどうか、あなたの要望を実現できそうかを判断してください。
弊社も無料相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Webサービスを依頼する開発会社の探し方や選び方はご理解いただけたでしょうか?
最後にWebサービス開発を成功させるポイントを3つご紹介します。
Webサービス開発を成功させるポイント3つ
Webサービスの開発を成功させるポイントは3つあります。
これは開発会社だけでなく、発注側のあなたにもぜひ知っておいてほしいことです。
Webサービス開発を成功に導く3つのポイントはこちら。
- 信頼できる開発会社を選ぶ
- 最小限の機能のみ開発し早くリリースする
- リリース後は継続的に改善する
それでは具体的にご説明します。
1. 信頼できる開発会社を選ぶ
エンジニアやデザイナーの質や料金も大切ですが、何より信頼できる開発会社を選ぶことが重要です。
Webサービスの開発は数ヶ月にも及ぶ長丁場です。
さらにリリース後も保守や運用、追加開発などで長い付き合いになります。
依頼したことをやってくれるのは当たり前。
それ以上に、あなたの要望を理解し、一緒にサービスを成長させていけるパートナーを見つけてください。
2. 最小限の機能のみ開発し早くリリースする
Webサービスを通じてやりたいことはたくさんあると思います。
そんな気持ちをぐっとこらえて、最小限の機能のみを開発し早くリリースすることを心がけてください。
開発の費用と時間は、作る機能が増えれば増えるほど増加します。
また万が一、サービスが想定通りに伸びない場合、開発にかけた時間と費用が無駄になってしまいますよね?
まずは最小限の機能でリリースし、ユーザーの反応を見ながら改善していくことが重要です。
このように最低限の機能のみを備えた製品を「MVP(Minimum Viable Product)」と呼びます。
MVPを作ってリリースすることの大切さについては、MVPの解説記事をご覧ください。

MVPがWebサービス開発では必要な理由とその方法
3. リリース後は継続的に改善する
先程、最初は最低限の機能のみでリリースすることが大切とお伝えしました。
ユーザーが集まってくると、様々な要望や改善点が見えてきます。
このタイミングでやっと機能の改善や追加を行うことができます。
これまでは仮説止まりだったことが、実際のユーザーの行動、反応をもとに検証し、改善していくことができるのです。
具体的にどのように改善していけば良いか、フェーズごとの改善の方法の解説記事も参考にしてみてください。

必要な機能はサービスのフェーズによって変わるので常にアップデートし続けることが大切
まとめ
Webサービスの開発は、Webサイト制作とは異なり、リリース後の運用や改善を前提とした長期的な取り組みです。
そのため、制作実績や技術力だけでなく、信頼関係を築ける開発会社を選ぶことが成功の第一歩となります。
開発会社選びで失敗しないために以下のポイントをチェックしてください。
- 制作実績を確認して、Webサービスの開発経験があるかどうか
- リリース後のサポート体制が整っているか
- 進め方が自社に合っているか
さらに、発注するあなたも「最小限の機能で早くリリースし、ユーザーの声をもとに改善を重ねる」という姿勢が重要です。
開発会社を探す段階から信頼できるパートナーを見つけることができれば、サービスの成長スピードや成功確率は大きく高まります。
もし「どの開発会社に依頼すればいいのか不安」「具体的な進め方を相談したい」という場合は、まずは弊社の無料相談を活用してみてください。
実際に話をすることで、自社の状況に合ったパートナーかどうかが見えてきます。
そうは言っても、
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